CO2選択透過膜によりCO2の回収コストを大幅に低減!!! 住友商事

このニュースリリースの内容が事実であれば画期的である。

CO2は発電所や溶鉱炉などの排ガスに多く含まれるが、地球温暖化ガスであるCO2排出量削減のために、CO2を回収することが必要となっている。このCO2を回収する方法として大きく3つの方法がある。

1.化学吸収法
 エタノールアミン(HOCH2CH2NH2)あるいはこの化合物に似た形の化合物を水に溶かし、この溶液がCO2を吸収する性質を利用してCO2を排ガスから回収する方法である。この方法では、CO2は簡単に水溶液に吸収されるが、その吸収液からCO2を取り出す際に、この溶液を120℃程度の高温にまで加熱する必要があり、多くのエネルギーがこの段階で必要になるのが問題視されている。その結果、CO2を回収するよりもCO2排出権を購入したほうが安くなる場合が多いのが現状だ。

 三菱重工のCO2回収プラントは海外に輸出されており、回収さrたCO2は多くの場合、尿素(NH2CONH2)の原料として利用されている。アンモニアNH3+CO2→NH2CONH2+H2Oである。

     500トン/日規模の石炭焚き排ガスCO2回収実証プラントを建設
     米国サザンカンパニーと共同で実証試験を実施
       http://www.mhi.co.jp/news/story/0905224821.html

2.吸着法
 ゼオライトや活性炭など、CO2を吸着する性質を有する吸着材に常温や圧力を加えることによりCO2を吸着させ、次いで圧力を下げたり温度を上げることによりCO2が吸着材から脱利する性質を利用して排ガス中よりCO2を回収するものである。圧力を変化させることを特徴とする方法は、PSA(Pressure Awing Adsorption)、温度を変化させるものはTSA(Temperature Swing Adsorption)とよばれ、CO2の回収に必要なエネルギーはj科学吸収法と比較すると少なくて済む。これから伸びてくる技術と期待されている。

     産業技術総合研究所(産総研)の二酸化炭素吸着剤・イモゴライトは二酸化炭素回収に革命をもたらすか?
       http://highsociety.at.webry.info/200812/article_7.html

3.膜分離法
 この方法の研究の歴史は長い。RITE(地球環境産業技術研究機構)なども非常に長期にわたりこの研究を続けてきているが、膜のCO2透過性や寿命、価格等に問題があり、注目を浴びている割には良い結果を得るには至っていなかった。この方法では、CO2が特殊な膜を透過して膜の反対側に通り抜ける速度が、他のガス(たとえば酸素、窒素、水素など)よりも速いことを利用する。

 膜技術は、水の精製や海水からの食塩の製造、あるいは人工透析などにも利用され、目的に合った膜が、見いだされれば、この方法が一番経済的になるのではないかと考えられる。


 以上、3つの方法の超概略を説明したが、今回、住友商事よりCO2の膜分離に関して画期的な技術の紹介があった。以下に必要な部分を引用した。この記事だけからでは膜寿命はわからないが、CO2の回収費用(当然、分離膜の償却年限頭は含む)は従来の5分の1になるとの画期的な発表である。この技術が定着すれば、いま問題のCO2回収については大きな改善となるものと考えられる。



部分引用

2009年12月14日
新技術"CO2選択透過膜"の実用化に向けた技術開発、市場開拓を本格化
~省エネルギー、低炭素社会の実現に貢献~
http://www.news1st.jp/index.php?s=28&item=948

住友商事は、株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチが開発したCO2(二酸化炭素)選択透過膜という新技術の実用化に向けた技術開発・市場開拓を、同社と共同で推進します。

ルネッサンス社が開発したCO2選択透過膜は、混合気体からCO2だけを分離して透過するという特徴を持っています。水素製造工程におけるCO2の分離法として従来採用されている化学吸収法では、分離回収工程で大量のスチームを必要としますが、CO2選択透過膜ではスチーム使用量を大幅に削減でき、大きな省エネ効果を得ることができます。さらに、中空糸(ストロー)状のCO2選択透過膜を束ねてモジュール化することによって、化学吸収法よりも狭い場所で効率よくCO2の分離回収が可能です。すなわち、スチーム利用減により、エネルギー消費は既存技術の約5分の1となり、かつ省スペースで設置できます。

この技術は大量の水素を必要とする石油精製や化学プラントの水素製造工程に応用可能です。こうした工程は日本国内で約40カ所、海外では国内の約50倍あると言われており、大きな商機が見込めます。

住友商事は、ルネッサンス社が開発したCO2選択透過膜の先進性に着目し、実用化に向けた技術開発、市場開拓を本格化します。当面は石油精製や化学プラントの水素製造工程をターゲットとして、2010年早々に日本の顧客プラントへ試作機を設置し、その評価・改良を行いながら、モジュールの大型化を進めていく予定です。

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、近畿経済産業局から補助金を得て、神戸大学松山教授らと開発




          





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