秋葉原通り魔無差別殺傷事件から6月8日ではや4年 時青年はそのとき何を思っていたのか?
手許に片田珠美著「無差別殺人の精神分析」(2009年)がある。物騒な題名ではあるが、この時の青年の精神状態をよく描き出している。
青年は良い高校、良い大学、そして良い会社へと進むことを期待され、教育ママのもとで育った。母親の引いたレールの上をただ走り続ける予定であった人生。友だちと遊ぶことすらも禁止された人生。そのような環境におかれた青年は次第に人との付き合いができなくなってくる。心と心のつながりが作れなくなる。そして、人の目を見て話せなくなる。さらに悪いことには成績低下による完全な落ちこぼれとなってしまう。
「生きる力」は自らの人生の目標を追い求めることにより培われていくものである。母親の、ママゴンの言うなりに操縦された青年の必然の結果であったかもしれないが、これはあまりに悲しい現実である。
本書に、「他者の評価に過敏で、自分が周囲からどのように見られているかを常に意識している、自意識過剰ともいえる少年の姿である。しかも、周りの人間が全部敵に見えているのではないかと思えるほど、被害的に受け止める傾向が強い。」とある。
本書には多くの無差別事件についての解説がなされている。秋葉原無差別殺傷事件、池袋通り魔殺人事件、下関通り魔殺人事件、大阪教育大池田小事件、コロンバイン高校銃乱射事件、ヴァージニア工科大銃乱射事件である。
無差別大量殺人は過去の同様の事件を真似て起こされることが多い(伝染する)とのこと。ここで、大量殺人とは単発の事件として一つの場所で発生し、通常24時間以内に終了するものをいう。
その要因は「復讐と憎悪」。アメリカの犯罪学者レヴィンとフォックスが、「大量殺人の心理・社会的分析」で次の6要因を挙げている。すべての事件はこの要因で説明できるとしている。
(A)素因
(1)長期間にわたる欲求不満
(2)他責的傾向
(B)促進要因
(3)破壊的な喪失
(4)外部のきっかけ
(C)容易にする要因
(5)社会的、心理的な孤立
(6)大量破壊のための武器の入手
そして、典型的な犯人像を次のように描写している。
「行為化は、目的が達成されず、長期間にわたって続いた欲求不満の結果であり、引き金となる出来事によって惨劇の幕が急激に切って落とされる。冷淡、悔恨の欠如、責任の否認が共通して認められる特徴である。」
秋葉原通り魔事件(Wikipedia)
秋葉原通り魔事件(あきはばらとおりまじけん)とは、2008年(平成20年)6月8日に東京都千代田区外神田(秋葉原)で発生した通り魔事件である。7人が死亡、10人が負傷した。
2008年(平成20年)6月8日12時30分過ぎ、東京都千代田区外神田4丁目の神田明神通りと中央通りが交わる交差点で、2トントラックが西側の神田明神下交差点方面から東に向かい、中央通りとの交差点に設置されていた赤信号を無視して突入、青信号を横断中の歩行者5人をはねとばした。
このトラックは交差点を過ぎて対向車線で信号待ちをしていたタクシーと接触して停車。周囲の人々は最初は交通事故だと思ったが、トラックを運転していた男は車を降りた後、道路に倒れこむ被害者の救護にかけつけた通行人・警察官ら14人を、所持していた両刃のダガーで立て続けに殺傷した。
この事件の犯人は、1997年(平成9年)の神戸連続児童殺傷事件の犯人(酒鬼薔薇聖斗・逮捕時14歳)や2000年(平成12年)の西鉄バスジャック事件(ネオむぎ茶・逮捕時17歳)を始めとする一連の少年犯罪でキレる17歳と呼ばれた世代(同学年・1982年4月2日 - 1983年4月1日生まれ)と同じ年齢だったことから、「理由なき犯罪世代」として世代論について語られた。また、西鉄バスジャック事件とはインターネットでの犯行予告という共通点もある。
青年は良い高校、良い大学、そして良い会社へと進むことを期待され、教育ママのもとで育った。母親の引いたレールの上をただ走り続ける予定であった人生。友だちと遊ぶことすらも禁止された人生。そのような環境におかれた青年は次第に人との付き合いができなくなってくる。心と心のつながりが作れなくなる。そして、人の目を見て話せなくなる。さらに悪いことには成績低下による完全な落ちこぼれとなってしまう。
「生きる力」は自らの人生の目標を追い求めることにより培われていくものである。母親の、ママゴンの言うなりに操縦された青年の必然の結果であったかもしれないが、これはあまりに悲しい現実である。
本書に、「他者の評価に過敏で、自分が周囲からどのように見られているかを常に意識している、自意識過剰ともいえる少年の姿である。しかも、周りの人間が全部敵に見えているのではないかと思えるほど、被害的に受け止める傾向が強い。」とある。
本書には多くの無差別事件についての解説がなされている。秋葉原無差別殺傷事件、池袋通り魔殺人事件、下関通り魔殺人事件、大阪教育大池田小事件、コロンバイン高校銃乱射事件、ヴァージニア工科大銃乱射事件である。
無差別大量殺人は過去の同様の事件を真似て起こされることが多い(伝染する)とのこと。ここで、大量殺人とは単発の事件として一つの場所で発生し、通常24時間以内に終了するものをいう。
その要因は「復讐と憎悪」。アメリカの犯罪学者レヴィンとフォックスが、「大量殺人の心理・社会的分析」で次の6要因を挙げている。すべての事件はこの要因で説明できるとしている。
(A)素因
(1)長期間にわたる欲求不満
(2)他責的傾向
(B)促進要因
(3)破壊的な喪失
(4)外部のきっかけ
(C)容易にする要因
(5)社会的、心理的な孤立
(6)大量破壊のための武器の入手
そして、典型的な犯人像を次のように描写している。
「行為化は、目的が達成されず、長期間にわたって続いた欲求不満の結果であり、引き金となる出来事によって惨劇の幕が急激に切って落とされる。冷淡、悔恨の欠如、責任の否認が共通して認められる特徴である。」
秋葉原通り魔事件(Wikipedia)
秋葉原通り魔事件(あきはばらとおりまじけん)とは、2008年(平成20年)6月8日に東京都千代田区外神田(秋葉原)で発生した通り魔事件である。7人が死亡、10人が負傷した。
2008年(平成20年)6月8日12時30分過ぎ、東京都千代田区外神田4丁目の神田明神通りと中央通りが交わる交差点で、2トントラックが西側の神田明神下交差点方面から東に向かい、中央通りとの交差点に設置されていた赤信号を無視して突入、青信号を横断中の歩行者5人をはねとばした。
このトラックは交差点を過ぎて対向車線で信号待ちをしていたタクシーと接触して停車。周囲の人々は最初は交通事故だと思ったが、トラックを運転していた男は車を降りた後、道路に倒れこむ被害者の救護にかけつけた通行人・警察官ら14人を、所持していた両刃のダガーで立て続けに殺傷した。
この事件の犯人は、1997年(平成9年)の神戸連続児童殺傷事件の犯人(酒鬼薔薇聖斗・逮捕時14歳)や2000年(平成12年)の西鉄バスジャック事件(ネオむぎ茶・逮捕時17歳)を始めとする一連の少年犯罪でキレる17歳と呼ばれた世代(同学年・1982年4月2日 - 1983年4月1日生まれ)と同じ年齢だったことから、「理由なき犯罪世代」として世代論について語られた。また、西鉄バスジャック事件とはインターネットでの犯行予告という共通点もある。
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