原子力発電コストの内訳が明らかに そして決して安い電力でないことも明らかに 政策経費の項目もある
発電費用が一番安いと言われてきた原子力発電だが、使用済み核燃料の保管コストやその他の今まで見えていなかった、いや、国と電力会社によりあえて公表を差し控えられていたコストを加えると決して安いとは言い難いようだ。さらに今回の福島原発事故で私たち日本人が経験したように、原子力そのものに大きなリスクがつきまとう。
今回、日経ビジネスが明らかにした原発に係るコストの中に「政策経費」なるものが1.1円入っている。何の政策かは定かではないが、今回の事故後の報道を見ていると、調査や研究を名目に原子力関係の大学教授や、原発立地の地元に政界関係者からばらまかれたいた金(はっきり言って賄賂)も含まれていると考えていいようだ。日経ビジネスには次のように記されている。
政策経費ということで、電力会社ではなく、国が支払っている原発関連の費用も、国民が負担しているという意味では発電コストとして計上して、年間3200億円で、1.1円/キロワット時と算出された。
その詳細な検討が次の資料でなされている。
コスト等検証委員会報告書 平成23 年12 月19 日
エネルギー・環境会議 コスト等検証委員会 (内閣府原子力委員会)
政策経費とは、発電事業者が発電のために負担する費用ではないが、税金で賄われる政策経費のうち電源ごとに発電に必要と考えられる社会的経費
さらに、政策経費は、資料「発電に関する政策経費の一覧」(平成23年度予算)に詳述されている。これを見ると原子力関係の項目が非常に多いことがわかる。その中でも、1000億円を超えるものとしては、次のものがある。
立地 経産省 原子力、火力、一般水力、地熱 1110億円
発電用施設等の設置及び運転の円滑化を図るため、地方公共団体が実施する事業に対して交付金を交付
※これには公園を作ったり体育館を作る費用などが含まれると思われる
将来発電技術開発 文科省 原子力 1039億円
中長期的なエネルギー安定確保のための高速増殖炉サイクル技術開発等の取り組みを実施する
こんなものまで、国民が払わされているとは。これでは国と電力会社は発電に係るコストの内訳をおおっぴらに公表できなかったのも理解できる。
下の表は昨年の1月1日現在の各国原子力発電所の実態である。この頃は、日本は地球温暖化を防止するために、原子力発電所を増やしていく方向で動いていた。3・11以降は、原子力発電所を廃止せよとの民意が強くなり、この表の計画からは大きく反対方向に変化してしまっている。日本は火力発電の比率を高めていかねばならない、というのが今の結論だろう。
日経ビジネス 2月2日
世界初、原発の見えなかったコストを解明する
日本のエネルギー政策、ゼロから出発するための第一歩
過去の試算より5割以上高い
今回の委員会の報告書では、こうした社会的なコストも含めて試算している。具体的には、原発のコストとしては、(1)原発の建設費用などの資本費、(2)ウラン燃料などの燃料費、(3)人件費などの運転管理費といった一般的に発電原価といわれるコストに加えて、(4)事故リスクのコスト、(5)政策経費も含めて試算した。
その結果は、下限が約9円/キロワット時(注1)であり、上限については示せないということであった。2004年、電気事業連合会が経済産業省の総合エネルギー調査会・電気事業分科会に提出した試算などに基づき、これまでよく言われていた5~6円/キロワット時程度という水準から考えると、下限でも5割以上は高いという試算結果である。
昨年1月1日現在の原子力発電所事情
単位:万キロワット
今回、日経ビジネスが明らかにした原発に係るコストの中に「政策経費」なるものが1.1円入っている。何の政策かは定かではないが、今回の事故後の報道を見ていると、調査や研究を名目に原子力関係の大学教授や、原発立地の地元に政界関係者からばらまかれたいた金(はっきり言って賄賂)も含まれていると考えていいようだ。日経ビジネスには次のように記されている。
政策経費ということで、電力会社ではなく、国が支払っている原発関連の費用も、国民が負担しているという意味では発電コストとして計上して、年間3200億円で、1.1円/キロワット時と算出された。
その詳細な検討が次の資料でなされている。
コスト等検証委員会報告書 平成23 年12 月19 日
エネルギー・環境会議 コスト等検証委員会 (内閣府原子力委員会)
政策経費とは、発電事業者が発電のために負担する費用ではないが、税金で賄われる政策経費のうち電源ごとに発電に必要と考えられる社会的経費
さらに、政策経費は、資料「発電に関する政策経費の一覧」(平成23年度予算)に詳述されている。これを見ると原子力関係の項目が非常に多いことがわかる。その中でも、1000億円を超えるものとしては、次のものがある。
立地 経産省 原子力、火力、一般水力、地熱 1110億円
発電用施設等の設置及び運転の円滑化を図るため、地方公共団体が実施する事業に対して交付金を交付
※これには公園を作ったり体育館を作る費用などが含まれると思われる
将来発電技術開発 文科省 原子力 1039億円
中長期的なエネルギー安定確保のための高速増殖炉サイクル技術開発等の取り組みを実施する
こんなものまで、国民が払わされているとは。これでは国と電力会社は発電に係るコストの内訳をおおっぴらに公表できなかったのも理解できる。
下の表は昨年の1月1日現在の各国原子力発電所の実態である。この頃は、日本は地球温暖化を防止するために、原子力発電所を増やしていく方向で動いていた。3・11以降は、原子力発電所を廃止せよとの民意が強くなり、この表の計画からは大きく反対方向に変化してしまっている。日本は火力発電の比率を高めていかねばならない、というのが今の結論だろう。
日経ビジネス 2月2日
世界初、原発の見えなかったコストを解明する
日本のエネルギー政策、ゼロから出発するための第一歩
過去の試算より5割以上高い
今回の委員会の報告書では、こうした社会的なコストも含めて試算している。具体的には、原発のコストとしては、(1)原発の建設費用などの資本費、(2)ウラン燃料などの燃料費、(3)人件費などの運転管理費といった一般的に発電原価といわれるコストに加えて、(4)事故リスクのコスト、(5)政策経費も含めて試算した。
その結果は、下限が約9円/キロワット時(注1)であり、上限については示せないということであった。2004年、電気事業連合会が経済産業省の総合エネルギー調査会・電気事業分科会に提出した試算などに基づき、これまでよく言われていた5~6円/キロワット時程度という水準から考えると、下限でも5割以上は高いという試算結果である。
昨年1月1日現在の原子力発電所事情
単位:万キロワット
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