科学に似て科学でないもの これを人は疑似科学、あるいは似非科学と呼ぶ その正体は何か?

人はわからないこと、皆が知っていて自分が知らないことがあると不安を感じる。他の皆んな(皆んなとは誰のことかは不明であるが)が知っていて自分だけが判断できないこと思っていることがあればその不安は一層強くなる。いま特に自分自身に関係がなければそのままほっておけば良いと思うのだが、気になり出したらこれをなんとかわかろうとする。そしてあるとき、ふと分かった気になる。これが恐ろしい。ここに付け込まれる。

この純粋な心にうまく忍び寄ってくるのが、もっともらしい話である。これに投資すれば儲かりますよ。これなどは、人間の欲の話であるから、科学というよりは心理学の話である。欲のある人はその話に乗るかもしれないが、興味がなければ、こういう儲け話には、「それじゃあなたが自分で投資すれば、非常に儲かっていいですね。」でことが収まるから簡単である。

容易に判断できないのは、それが正しいかどうかが自分では全く判断できないものが、真しやかに囁かれたときである。「皆んなはそれを信じていますよ」「多くの人がそれを買い、健康状態を取り戻しましたよ」。こう囁かれるとついついその気になってしまう。そこに、科学的データが示され、どこかの大学の偉い先生が推薦の言葉をしたためているとそうかなと思ってしまう。このデータをまとめたのはこの商品を販売したいと画策している業者であり、大学の先生はこの業者よりお金をもらって一文を書いたに過ぎないことが多い。大学の先生がその商品の素晴らしさを自分で確認し、その結果として推薦している場合もあるとは思うが、消費者からは実際のところは分からない。情報の送り手と受け手に情報の非対称性が存在する。これが問題である。消費者が情報リテラシーを身につければ良のではとの意見もあるかもしれないが、この類の話は、科学的正しさや論理性に欠けることが多いので、もともと情報リテラシーなど身につけようがないように感じられる。

下に疑似科学の真正科学からの乖離度順にその分類が示されている。占いなどは当たるも八卦というように、当たらなくても誰も困らないのではないか。超能力など未知の分野を信じたくなるのは人間の本性であると思う。あこがれといってもいいのではとも思うが、今の自分となりたい自分の延長線上にこのあこがれがあるのかもしれない。そして宗教である。下にも引用したが、精神世界に閉じた宗教は健全である可能性がある。これは宗教というよりは信仰と言い直したほうがよいかもしれない。しかし、宗教が一歩、物質世界に足を踏み出したとき、そこに多くの犠牲者を生み出す可能性がある。特にマインドコントロールにより倫理観を破壊する宗教であれば、その結果は重篤なものとなる。

科学の乱用などはよく見られる例であり、私たち消費者が一番騙されやすいのはこの辺だろう。例えば水の話、美しい言葉をかけても汚い言葉を投げつけても出来る氷は同じものである。マイナスイオン、その測定方法も確立されていないのに、測定値のみがひとり歩きする。挙句は、プラズマイオンクラスターなどとの造語まで出現し、あたかも科学的であるかのような錯覚を与える。

「複雑系」。これは難しい。最近の一番の例は「地球温暖化」の真実についてである。温暖化に見せかけるための捏造問題も表面化したが、CO2が真犯人なのか、10万年周期の寒暖周期が原因なのかはまだはっきりとはしていない。補足すると、いまが丁度10万年目の温暖化の頂点に達しているとされている。スーパーコンピュータの発達によってもなかなか結論が出にくい問題かもしれない。

このように、種々の擬似科学が私たちの周りに満ち溢れ、生活しているとその多くに遭遇することになる。学習によりその科学からの乖離を判断できるようになれば良いが、すべての人がそのようになれるとは思えない。そこに擬似科学が延命する理由がある。理解できない、擬似科学かもしれない事象に出会ったときには、もう少し付け加えると、自分自身で理解できない事柄に出会った場合には、それをインターネットなどで調べてみて、その真偽を自ら確認する必要がある。このとき、擬似科学をサポートする記事と、それを否定する記事があるので、その両者を読み比べることが大切である。疑似科学が正解という立場で記事を見ると、どうしてもそちらを贔屓に見てしまい、正しい判断ができないことになる。

人間は弱いものである。しかし、考える葦である。わからないこと、困ったことは情報を集めてその真偽を確認する習慣をつけよう。その癖をつければ騙されない免疫が体内に作られてくる。



書籍「擬似科学入門」からの引用

非合理なことをあたかも分かったようなつもりで、合理的であると錯覚したときに、悲劇が始まる。一旦この非合理を容認してしまうと、後は雪崩現象で、雪に埋もれそこからは死ぬまで抜け出せなくなる。

疑似科学の分類は次のとおりである。
   第1種疑似科学 占い系、超能力・超科学系、宗教系
   第2種疑似科学 科学を援用・乱用・誤用・悪用
   第3種疑似科学 「複雑系であるが故に証明しずらい問題について、真の原因の所在を曖昧にする言説で、
              疑似科学と真正科学の間のグレーゾーンに属するもの

擬似宗教の特徴は、精神世界にのみ閉じず、物質世界までも支配できると自認している。信者に物質的な見返りを要求したり、現在の全生活を捨てて集団生活を要求したりする。


書籍「水とはなにか」からの引用

※水の塊(クラスター)の大きさを健康に良い水や悪い水の判断基準としたり、ウイスキーのまろやかになる(老熟する)理由としたりしている。この時にクラスターの大きさを測る尺度として用いられるのが酸素17ーNMRスペクトルの半値幅だ。これについて本書は次のように記している。

クラスター説はプロトn交換時間の長短がクラスターの大小を表すと誤解したものである。クラスター水は科学的な外観を装って消費者をごまかしている疑似科学の一部である。


         

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この記事へのコメント

ssfs
2012年01月14日 11:24
初めまして。マイナスイオンについて詳しく調べている者です。技術畑の方とお見受けしますが、マイナスイオンを「科学に似て科学でないもの」の範疇に含めるのは不適切です。

マイナスイオンの測定方法は2006年に確立されています。
http://www.japan-ion.jp/

プラズマクラスターは造語ですが、科学の新しい概念について言葉を作ってはいけないとルールはありません。むしろ、他社の類似技術との差別化のため、独自ブランドを持つのは当たり前のことでしょう。

科学的な検証も進んでいます。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsueisei/53/4/239/_pdf
https://www.osaka-cu.ac.jp/research/commons/data/2011inoue.pdf

典型的なマイナスイオン商品であるマイナスイオンドライヤーは、消費者の圧倒的な支持を得て、約10年間に3000万台以上が売れています。消費者は騙されているのではありません。

マイナスイオン全般の詳細はこちらにまとめてあります。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n16155

また、地球温暖化の真実はいまだ判然としていないのに、過激なCO2削減策を国や一部の科学者が公然と唱えています。それこそ「科学に似て科学でないもの」の疑いを強く持つべきでしょう。
2012年01月14日 21:44
ssfs様 ご教示いただきありがとうございます。お示しいただきました次のアドレスはERRORとなってしまいます。あっているでしょうか?
http://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsueisei/53/4/239/_pdf
もし、マイナスイオンの発生方法、発生数などが記された論文がありましたら、その入手先をお教えください。その論文は査読付きの論文でしょうか?
以上、よろしくお願いいたします。
ssfs
2012年01月14日 23:50
コメントありがとうございます。

前者は
http://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsueisei/53/4/239/_pdf
で開くはずです。もしダメなら「プラズマクラスターイオンによる除菌作用の原理と応用」で検索ください。「生活衛生」というマイナーな雑誌ですが、いちおうは査読付き論文です。

後者の
http://www.springerlink.com/content/v14476w003172046/
は海外で初の査読付き論文です。

なぜだかシャープはどちらの論文の存在も公表していません。私が独力で探し出しました。

マイナスイオンの発生についてはJISを当たるといいでしょう。こちらの日本工業標準調査会のサイト
http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html
の一番上の窓に「B9929」を入れて一覧表示させると、「空気中のイオン密度測定方法」という規格名称が出てきます。さらに、規格番号をクリックすると規格をpdfで閲覧することができます。このpdfは印刷もリンクもできない仕組みのようです。

とにかく手を動かして情報を仕入れないことには、ニセ科学批判者のように無知のまま軽率な判断をすることになります。

また、査読付き論文があったところで、人為的地球温暖化説のように「科学に似て科学でないもの」ものもあります。査読付き論文は必ずしも金科玉条ではないことはお知りおきください。
ssfs
2012年01月14日 23:54
おっと、勇み足。訂正します。

× 人為的地球温暖化説のように「科学に似て科学でないもの」もの
○ 人為的地球温暖化説のように「科学に似て科学でないもの」の疑いがあるもの
  
2012年01月17日 00:19
ssfs様
情報をいただきありがとうございます。
久しぶりにマイナスイオンについて調べ直してみましたが、やはりよくわからないというのが今の実感です。自分で実験してみてある程度の常識(経験)をつけないとピンと来ないものと思われます。
少し整理してみようと、簡単なまとめを作り始めましたところ、少し容量が大きくなってしまいましたので、次のところに新たにページを設けました。あまり新しい内容は盛り込めていませんが、よろしければご確認ください。
http://highsociety.at.webry.info/201201/article_13.html

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