書籍「アホ大学のバカ学生」 バカはマネジメント能力でキラリと光る原石 大学生は読んで才能に気づくべし

書籍「アホ大学のバカ学生」 石渡嶺司、山内太地 (2012、光文社新書)

まず最初に、本書は大学進学を考えている高校2年生および就職を考え始めている大学2回生が読めば、意味のある書籍ではないかと感じた。まさにその渦中にいる者が読めば、この書の言っていること、言いたいことが実感として伝わってくると思うからである。

この書籍は現在の大学事情を見事に解説している。ただし、何を目的にこの本を手に取るかによって、読者ごとにこの書籍の価値が違ったものになってくるように感じられる。ある学生は今の大学にうんざりしているその理由を知りたいだろうし、またある学生はどうすれば良い会社に就職できるか、企業の採用担当者は今の学生の実態について知りたい、などのニーズを持っているかもしれない。

本著者は「最高学府はバカだらけ」(2007、光文社新書)の著者でもある。この本を2007年に出版するときに仮題として名付けていたのが今回の書籍名である「アホ大学のバカ学生」である。

長年の大学との付き合いや調査の中で、学生の質も低下しているが、大学の質も低下してきていることに言及している。その中で、秋田の国際教育大(公立)と宮崎国際大が特徴を持った大学であるとして、その比較をしている。

国際教育大学は英語教育と教養を磨くことに力をいれ、企業からの求人も多いと報じられている。一方、宮崎国際大学は日本の大学としては珍しくリベラルアーツ教育を実施している。外国人教員比率も84%と、著者としてはいい大学になれるはずとの評価かもしれないが、例年定員割れを起こしている。このアンバランスがなんとも言えないが、宮崎国際大学に学生が集まらない理由についても考察が加えられている。

なお、アジアの大学も欧米で取り入れられているリベラルアーツ重視教育に変わり始めているとある。

世界で通用する人材となるためには、ビジネスの専門性に加えて、歴史、宗教、文化、哲学などの深い知識が求められる。これがなければ、軽く見られてしまう。


さて、本書を読んで私が注目した点は、

不真面目なバカ学生の方が就職は案外うまくいく
企業研究では、バカ学生は目的企業に関する情報を持った該当者がいればすぐに富んでいく。該当者がいない場合には、数度しか話したことのない教員や、10年近く交流が絶えている親戚でもずうずうしく依頼する。
一方、真面目な学生はすぐに断念する。

粘り強さや執念深さは、ことを成し遂げるためにはなくてはならない能力のひとつである。いま、この執念を持ち合わせて会社に入ってくる新入社員は非常に少ない。こんなバカ学生が実在するとすれば、会社は大歓迎ではないだろうか?

効率を無視するバカ学生の実態
 目の前に面白いことがあれば、それに興味を持つ
 勉強はどこかで帳尻を合わせる
 飛行率な割に要領が良い

これをバカというのだろうか。この行動に戦略が加われば立派な企業人になれると思うのだが。決してバカではない。


本書は大学に、そして学生に、どのようにあれとは言ってはいないが、種々の実例で示された不都合な事態を避けてくれるようにとの願いが込められているものとい想う。そして、結語として「できない学生、優秀ならざる普通の学生、バカ学生を変えていくのも大学の使命ではなかっただろうか」と手厳しい。



出版社からのコメント
◎TOEICで100点台を取ってしまう学生、ツイッターでカンニング自慢をしてしまう学生から、内定取りまくりのすごい学生、グローバル人材まで、今日もキャンパスは大騒ぎ。
『最高学府はバカだらけ』『就活のバカヤロー』の石渡と、日本の全大学を踏破した大学研究家の山内が、日本の大学・大学生・就活の最新事情を掘り下げる。
難関大なのに面倒見のいい大学、偏差値は高くなくても在学中に鍛えあげて就職させてくれる大学、少数精鋭、極限の「特進クラス」を持つ大学、グローバル人材と言えばあの大学、などなど、お役立ち最新情報も満載。

廃校・募集停止時代の大学「阿鼻叫喚」事情。
【目次】
第1章 バカ学生、まかりとおる
第2章 大学だってアホっぽい
第3章 講演「受験生をゼロにするためのパンフレット作り」
第4章 就活を巡る空回り----無責任就活業者vs.無責任学生、悪いのは誰?
第5章 難関大でも「面倒見がいい」時代
第6章 日本バカ学生史----明治・大正を中心に
第7章 定員割れ大学のサバイバル競争----募集停止か復活か
第8章 マンモス大、グローバル人材とバカ学生の間で揺れる


      

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この記事へのコメント

noga
2012年02月06日 16:35


日本人には意思 (will) がない。
意思は未来時制 (future tense) の内容である。
日本語には時制がない。
日本人には意思がない。

英米人の子供には意思がない。
この点で日本人のようなものである。
思春期を迎え、言語能力が発達すると、意思を表すことができるようになる。
英米流の高等教育 (大人の教育) が可能になる。これは、さらなる英語の教育である。
日本語脳の持ち主には、大人の教育の意味は理解できない。
日本人は英米流の大学教育を高く評価もしないし、効果も上がらない。

子どもには意思がない。
だから、子供には保護者 (chaperon) がついてきて、それを代行する。
日本政府にも、意思決定が難しい。
だから、アメリカ政府が意思決定を助けてくれる。
日本人の誰もが指摘する通り、我が国の政府は、アメリカ政府のポチである。
日本人が、この道を脱却できるかどうかは、英米の高等教育の習得の成否にかかっているといえる。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812

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