まだマイナスイオンの効果が信じられないでいるこの私は、疑りぶかいのか?理解力が不足しているのか?
このブログから今回の話は始まった。
科学に似て科学でないもの これを人は疑似科学、あるいは似非科学と呼ぶ その正体は何か?
疑似科学の分類は次のとおりである。
第1種疑似科学 占い系、超能力・超科学系、宗教系
第2種疑似科学 科学を援用・乱用・誤用・悪用
第3種疑似科学 「複雑系であるが故に証明しずらい問題について、真の原因の所在を曖昧にする言説で、
疑似科学と真正科学の間のグレーゾーンに属するもの
科学の乱用などはよく見られる例であり、私たち消費者が一番騙されやすいのはこの辺だろう。例えば水の話、美しい言葉をかけても汚い言葉を投げつけても出来る氷は同じものである。マイナスイオン、その測定方法も確立されていないのに、測定値のみがひとり歩きする。挙句は、プラズマイオンクラスターなどとの造語まで出現し、あたかも科学的であるかのような錯覚を与える。
赤字で示した部分が、誤りではないかとの丁重な意見をssfs様よりいただきました。確かに言い過ぎではと反省する部分もないことはないのですが、過去に読んだ論文からは、私がまだマイナスイオンを信じていなかったというのが、この言葉がでてきた理由です。
そこで、今回改めて、私が短時間にできる範囲で、マイナスイオンについての情報を集め、(多少私の主観が入ってしまうのは仕方がないとしても)なるべくその情報に沿って中立の立場を保ちながら、考察を加えたいと考えました。その結果ここに示したものが、読者からはどのようなものに見えるかはわかりませんが、今の私が短時間で調査できる限界です。さらに調査が必要と考えるときには、時間をかけてもう少し深い調査をすることになります。今回は一応ここまでです。
なお、ssfs様よりいただきましたご意見は、下に再録させていただいています。
(ssfs様)と記しているのは、ssfs様よりお示しいただいた文献です。
(伝右)で示すものは私が見つけたものです。
※印は私の感想なり意見を表します。
マイナスイオンの測定方法は2006年に確立されています。(ssfs様)
「空気中のイオン密度測定方法」JIS規格として制定 日本イオン性機能協会
平成18年11月20日付、「空気中のイオン密度測定方法」が財団法人日本規格協会より、JIS規格(JIS B9929)として制定されました。 この規格は、様々なマイナスイオン測定器が出回るなか、マイナスイオン関連事業の正しい発展には、まず測定法(値)の標準化を行うことが第一であると考え、中江前理事長を中心にオリジナルの測定器を製造開発し、当協会の測定法をモデルとして日本工業規格にて審議されたものであります。
このJIS規格制定により、空気中のイオン密度測定値を世界共通の物差しをもって正しく比較することが出来るようになり、イオン業界の安定化を支えることになると信じております。JIS規格の標準器である日本機能性イオン協会の測定により、信頼性のある商品開発のお役に立つことが出来れば幸いに存じます。
※会員には34社の名前があるが、私の不勉強のためか聞き覚えのある社名はない。大学は本協会には所属していない。
JIS B9929は日本工業標準調査会から閲覧(ssfs様)。保存およびプリントアウトはできない。
※装置の概略図は書いてありますが、ディメンションなどの記載はありません。日本イオン性機能協会はどのような装置を使って測定しているか、興味深いところです。
イオン測定器に関する特許調査(伝右) 例えば特許4246677(シャープ)があり、原理的にはJIS B9929に近いものでしょう。特許の検索はこちらから。
シャープの解説文献 生活衛生 Vol.53 No.4 239-246 (2009)
プラズマクラスターイオンによる除菌作用の原理と応用(ssfs様)
※大変わかりやすく解説されています。ssfs様からこの文献は査読付きであると聞いていましたが、「解説」となっていますし、内容からも査読付き論文ではないと判断いたしました。その理由は、実験方法が具体的でない。測定方法が明確に示されていない。マイナスイオン濃度が示されていない。図13には実験で得られた結果が実験点として書き込まれていない。などの理由によるものです。
本文献の著者である西川和男氏について調べてみましたところ、多くの特許は出しておられますが、文献としてはシャープ技法・2006年8月がヒットしたのみです。タイトルは「正極性と負極性のクラスターイオンによる最近不活化メカニズム」です。こちらには正負イオンが各5000個/cm3、オゾン濃度が0,05ppm未満で、180分で細菌が死滅するとあります。
※ここに示されたイオン濃度が高いものか低いものかは私には判断できませんが、先のJIS B9929によると、このイオン濃度は6段階のイオン密度クラスの、密度の低いものから3段階目にあたります。残念ながら、シャープのプラズマクラスターイオン発生機においてどの程度の濃度のイオン濃度が得られるかは、その記載が見い出せていませんので、判断することはできません。
※生活衛生は大阪生活衛生協会から発刊の会誌でしたが、昨年の春季号を最後に廃刊となりました。
関連する文献として次のものを見出しています。(伝右)
負イオンの工業利用 エアロゾル研究、谷村泰宏 (三菱電機)、18(1)、20-26(2003)
※この論文は実験方法、結果、引用文献がしっかりしており、明らかに査読付き文献であると考えられます。p23には、「負イオンは微生物の増殖を抑制する静菌効果しかもたないが、他の増殖抑制手段と併用すれば殺菌まで行える物質であることが分かった。(この孫引き文献は同著者による、防菌防黴、25、625-632(1997)です。内容は確認できていません)。陰イオン濃度はシャープの実験と同程度です。その濃度では、細菌を死滅させることは難しく、その成長を止めるのがやっとだと言っています。
※先のシャープの実験においては、正負イオンで細菌を処理しましたので、この正イオンが細菌の死滅に寄与した可能性もあります。詳細は現段階で私には確かめようがありません。
(参考)最近のシャープの特許 その一例
特許第4146677号 2002.7.5出願
イオン検出器
特許第4380973号 2002.8.29出願
ウイルスの感染率を低下させる方法
特許第4573900号 2009.1.9出願
室内の清浄化方法
※ここからは私の感じたことを記します。
マイナスイオンをキーワードに特許を調査しますと、個人も含めて非常に多くの特許がヒットしてきます。年代的に見ましても、昭和の終わり頃より現在に至るまで、途切れることなくこの出願が続いています。この特許の多さから言えば立派に一つの技術領域を形作っていると言ってもよいでしょう。
ただ、今回の調査で私がわからないことは、マイナスイオンに関するしっかりとした論文(査読付き論文で、論文としての体をなしているということ)が見当たらないことです。きっと私の調査にまだまだ抜けがあることがその原因かと思いますが、それにしても論文の数が少な過ぎます。いま、「反証されえない理論は科学的理論ではない」(カール・ポパー)の言葉をひしひしと実感しているところです。なぜ、大学で追試や応用研究がなされ、それが論文に記載されないのか? この技術分野はすでに20世紀初頭~中頃に完成を見、今更検討を加える余地すらもないのか? シャープや三菱電機が論文を出しているくらいですから、そんなことはないと思います。三菱電機の論文の引用文献で一番古いものは1938年、その次に古いものは1964年です。
結局、今回の調査によっても、残念ながら私はイオンクラスターの信者にはなれませんでした。
ssfs様よりいただいたご意見
(ssfs様より)
初めまして。マイナスイオンについて詳しく調べている者です。技術畑の方とお見受けしますが、マイナスイオンを「科学に似て科学でないもの」の範疇に含めるのは不適切です。
マイナスイオンの測定方法は2006年に確立されています。
http://www.japan-ion.jp/
プラズマクラスターは造語ですが、科学の新しい概念について言葉を作ってはいけないとルールはありません。むしろ、他社の類似技術との差別化のため、独自ブランドを持つのは当たり前のことでしょう。
科学的な検証も進んでいます。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsueisei/53/4/239/_pdf
https://www.osaka-cu.ac.jp/research/commons/data/2011inoue.pdf
典型的なマイナスイオン商品であるマイナスイオンドライヤーは、消費者の圧倒的な支持を得て、約10年間に3000万台以上が売れています。消費者は騙されているのではありません。
マイナスイオン全般の詳細はこちらにまとめてあります。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n16155
また、地球温暖化の真実はいまだ判然としていないのに、過激なCO2削減策を国や一部の科学者が公然と唱えています。それこそ「科学に似て科学でないもの」の疑いを強く持つべきでしょう。
ssfs
2012/01/14 11:24
(伝右より)
ssfs様 ご教示いただきありがとうございます。お示しいただきました次のアドレスはERRORとなってしまいます。あっているでしょうか?
http://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsueisei/53/4/239/_pdf
もし、マイナスイオンの発生方法、発生数などが記された論文がありましたら、その入手先をお教えください。その論文は査読付きの論文でしょうか?
以上、よろしくお願いいたします。
伝右
2012/01/14 21:44
(ssfs様より)
コメントありがとうございます。
前者は
http://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsueisei/53/4/239/_pdf
で開くはずです。もしダメなら「プラズマクラスターイオンによる除菌作用の原理と応用」で検索ください。「生活衛生」というマイナーな雑誌ですが、いちおうは査読付き論文です。
後者の
http://www.springerlink.com/content/v14476w003172046/
は海外で初の査読付き論文です。
なぜだかシャープはどちらの論文の存在も公表していません。私が独力で探し出しました。
マイナスイオンの発生についてはJISを当たるといいでしょう。こちらの日本工業標準調査会のサイト
http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html
の一番上の窓に「B9929」を入れて一覧表示させると、「空気中のイオン密度測定方法」という規格名称が出てきます。さらに、規格番号をクリックすると規格をpdfで閲覧することができます。このpdfは印刷もリンクもできない仕組みのようです。
とにかく手を動かして情報を仕入れないことには、ニセ科学批判者のように無知のまま軽率な判断をすることになります。
また、査読付き論文があったところで、人為的地球温暖化説のように「科学に似て科学でないもの」ものもあります。査読付き論文は必ずしも金科玉条ではないことはお知りおきください。
ssfs
2012/01/14 23:50
(ssfs様より)
おっと、勇み足。訂正します。
× 人為的地球温暖化説のように「科学に似て科学でないもの」もの
○ 人為的地球温暖化説のように「科学に似て科学でないもの」の疑いがあるもの
ssfs
2012/01/14 23:54
なか見!検索ができます。内容はご確認ください。
科学に似て科学でないもの これを人は疑似科学、あるいは似非科学と呼ぶ その正体は何か?
疑似科学の分類は次のとおりである。
第1種疑似科学 占い系、超能力・超科学系、宗教系
第2種疑似科学 科学を援用・乱用・誤用・悪用
第3種疑似科学 「複雑系であるが故に証明しずらい問題について、真の原因の所在を曖昧にする言説で、
疑似科学と真正科学の間のグレーゾーンに属するもの
科学の乱用などはよく見られる例であり、私たち消費者が一番騙されやすいのはこの辺だろう。例えば水の話、美しい言葉をかけても汚い言葉を投げつけても出来る氷は同じものである。マイナスイオン、その測定方法も確立されていないのに、測定値のみがひとり歩きする。挙句は、プラズマイオンクラスターなどとの造語まで出現し、あたかも科学的であるかのような錯覚を与える。
赤字で示した部分が、誤りではないかとの丁重な意見をssfs様よりいただきました。確かに言い過ぎではと反省する部分もないことはないのですが、過去に読んだ論文からは、私がまだマイナスイオンを信じていなかったというのが、この言葉がでてきた理由です。
そこで、今回改めて、私が短時間にできる範囲で、マイナスイオンについての情報を集め、(多少私の主観が入ってしまうのは仕方がないとしても)なるべくその情報に沿って中立の立場を保ちながら、考察を加えたいと考えました。その結果ここに示したものが、読者からはどのようなものに見えるかはわかりませんが、今の私が短時間で調査できる限界です。さらに調査が必要と考えるときには、時間をかけてもう少し深い調査をすることになります。今回は一応ここまでです。
なお、ssfs様よりいただきましたご意見は、下に再録させていただいています。
(ssfs様)と記しているのは、ssfs様よりお示しいただいた文献です。
(伝右)で示すものは私が見つけたものです。
※印は私の感想なり意見を表します。
マイナスイオンの測定方法は2006年に確立されています。(ssfs様)
「空気中のイオン密度測定方法」JIS規格として制定 日本イオン性機能協会
平成18年11月20日付、「空気中のイオン密度測定方法」が財団法人日本規格協会より、JIS規格(JIS B9929)として制定されました。 この規格は、様々なマイナスイオン測定器が出回るなか、マイナスイオン関連事業の正しい発展には、まず測定法(値)の標準化を行うことが第一であると考え、中江前理事長を中心にオリジナルの測定器を製造開発し、当協会の測定法をモデルとして日本工業規格にて審議されたものであります。
このJIS規格制定により、空気中のイオン密度測定値を世界共通の物差しをもって正しく比較することが出来るようになり、イオン業界の安定化を支えることになると信じております。JIS規格の標準器である日本機能性イオン協会の測定により、信頼性のある商品開発のお役に立つことが出来れば幸いに存じます。
※会員には34社の名前があるが、私の不勉強のためか聞き覚えのある社名はない。大学は本協会には所属していない。
JIS B9929は日本工業標準調査会から閲覧(ssfs様)。保存およびプリントアウトはできない。
※装置の概略図は書いてありますが、ディメンションなどの記載はありません。日本イオン性機能協会はどのような装置を使って測定しているか、興味深いところです。
イオン測定器に関する特許調査(伝右) 例えば特許4246677(シャープ)があり、原理的にはJIS B9929に近いものでしょう。特許の検索はこちらから。
シャープの解説文献 生活衛生 Vol.53 No.4 239-246 (2009)
プラズマクラスターイオンによる除菌作用の原理と応用(ssfs様)
※大変わかりやすく解説されています。ssfs様からこの文献は査読付きであると聞いていましたが、「解説」となっていますし、内容からも査読付き論文ではないと判断いたしました。その理由は、実験方法が具体的でない。測定方法が明確に示されていない。マイナスイオン濃度が示されていない。図13には実験で得られた結果が実験点として書き込まれていない。などの理由によるものです。
本文献の著者である西川和男氏について調べてみましたところ、多くの特許は出しておられますが、文献としてはシャープ技法・2006年8月がヒットしたのみです。タイトルは「正極性と負極性のクラスターイオンによる最近不活化メカニズム」です。こちらには正負イオンが各5000個/cm3、オゾン濃度が0,05ppm未満で、180分で細菌が死滅するとあります。
※ここに示されたイオン濃度が高いものか低いものかは私には判断できませんが、先のJIS B9929によると、このイオン濃度は6段階のイオン密度クラスの、密度の低いものから3段階目にあたります。残念ながら、シャープのプラズマクラスターイオン発生機においてどの程度の濃度のイオン濃度が得られるかは、その記載が見い出せていませんので、判断することはできません。
※生活衛生は大阪生活衛生協会から発刊の会誌でしたが、昨年の春季号を最後に廃刊となりました。
関連する文献として次のものを見出しています。(伝右)
負イオンの工業利用 エアロゾル研究、谷村泰宏 (三菱電機)、18(1)、20-26(2003)
※この論文は実験方法、結果、引用文献がしっかりしており、明らかに査読付き文献であると考えられます。p23には、「負イオンは微生物の増殖を抑制する静菌効果しかもたないが、他の増殖抑制手段と併用すれば殺菌まで行える物質であることが分かった。(この孫引き文献は同著者による、防菌防黴、25、625-632(1997)です。内容は確認できていません)。陰イオン濃度はシャープの実験と同程度です。その濃度では、細菌を死滅させることは難しく、その成長を止めるのがやっとだと言っています。
※先のシャープの実験においては、正負イオンで細菌を処理しましたので、この正イオンが細菌の死滅に寄与した可能性もあります。詳細は現段階で私には確かめようがありません。
(参考)最近のシャープの特許 その一例
特許第4146677号 2002.7.5出願
イオン検出器
特許第4380973号 2002.8.29出願
ウイルスの感染率を低下させる方法
特許第4573900号 2009.1.9出願
室内の清浄化方法
※ここからは私の感じたことを記します。
マイナスイオンをキーワードに特許を調査しますと、個人も含めて非常に多くの特許がヒットしてきます。年代的に見ましても、昭和の終わり頃より現在に至るまで、途切れることなくこの出願が続いています。この特許の多さから言えば立派に一つの技術領域を形作っていると言ってもよいでしょう。
ただ、今回の調査で私がわからないことは、マイナスイオンに関するしっかりとした論文(査読付き論文で、論文としての体をなしているということ)が見当たらないことです。きっと私の調査にまだまだ抜けがあることがその原因かと思いますが、それにしても論文の数が少な過ぎます。いま、「反証されえない理論は科学的理論ではない」(カール・ポパー)の言葉をひしひしと実感しているところです。なぜ、大学で追試や応用研究がなされ、それが論文に記載されないのか? この技術分野はすでに20世紀初頭~中頃に完成を見、今更検討を加える余地すらもないのか? シャープや三菱電機が論文を出しているくらいですから、そんなことはないと思います。三菱電機の論文の引用文献で一番古いものは1938年、その次に古いものは1964年です。
結局、今回の調査によっても、残念ながら私はイオンクラスターの信者にはなれませんでした。
ssfs様よりいただいたご意見
(ssfs様より)
初めまして。マイナスイオンについて詳しく調べている者です。技術畑の方とお見受けしますが、マイナスイオンを「科学に似て科学でないもの」の範疇に含めるのは不適切です。
マイナスイオンの測定方法は2006年に確立されています。
http://www.japan-ion.jp/
プラズマクラスターは造語ですが、科学の新しい概念について言葉を作ってはいけないとルールはありません。むしろ、他社の類似技術との差別化のため、独自ブランドを持つのは当たり前のことでしょう。
科学的な検証も進んでいます。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsueisei/53/4/239/_pdf
https://www.osaka-cu.ac.jp/research/commons/data/2011inoue.pdf
典型的なマイナスイオン商品であるマイナスイオンドライヤーは、消費者の圧倒的な支持を得て、約10年間に3000万台以上が売れています。消費者は騙されているのではありません。
マイナスイオン全般の詳細はこちらにまとめてあります。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n16155
また、地球温暖化の真実はいまだ判然としていないのに、過激なCO2削減策を国や一部の科学者が公然と唱えています。それこそ「科学に似て科学でないもの」の疑いを強く持つべきでしょう。
ssfs
2012/01/14 11:24
(伝右より)
ssfs様 ご教示いただきありがとうございます。お示しいただきました次のアドレスはERRORとなってしまいます。あっているでしょうか?
http://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsueisei/53/4/239/_pdf
もし、マイナスイオンの発生方法、発生数などが記された論文がありましたら、その入手先をお教えください。その論文は査読付きの論文でしょうか?
以上、よろしくお願いいたします。
伝右
2012/01/14 21:44
(ssfs様より)
コメントありがとうございます。
前者は
http://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsueisei/53/4/239/_pdf
で開くはずです。もしダメなら「プラズマクラスターイオンによる除菌作用の原理と応用」で検索ください。「生活衛生」というマイナーな雑誌ですが、いちおうは査読付き論文です。
後者の
http://www.springerlink.com/content/v14476w003172046/
は海外で初の査読付き論文です。
なぜだかシャープはどちらの論文の存在も公表していません。私が独力で探し出しました。
マイナスイオンの発生についてはJISを当たるといいでしょう。こちらの日本工業標準調査会のサイト
http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html
の一番上の窓に「B9929」を入れて一覧表示させると、「空気中のイオン密度測定方法」という規格名称が出てきます。さらに、規格番号をクリックすると規格をpdfで閲覧することができます。このpdfは印刷もリンクもできない仕組みのようです。
とにかく手を動かして情報を仕入れないことには、ニセ科学批判者のように無知のまま軽率な判断をすることになります。
また、査読付き論文があったところで、人為的地球温暖化説のように「科学に似て科学でないもの」ものもあります。査読付き論文は必ずしも金科玉条ではないことはお知りおきください。
ssfs
2012/01/14 23:50
(ssfs様より)
おっと、勇み足。訂正します。
× 人為的地球温暖化説のように「科学に似て科学でないもの」もの
○ 人為的地球温暖化説のように「科学に似て科学でないもの」の疑いがあるもの
ssfs
2012/01/14 23:54
なか見!検索ができます。内容はご確認ください。
この記事へのコメント
しかし、同書のマイナスイオンに関する記述(68ページ)はダメです。
~~~~~~~~~~~~~
(略)科学的に厳密な証明がないにもかかわらず、科学の用語を使用することでいかにも効能があると見せかける商売は今でも盛んである。
例えば、よく使われたのがマイナスイオンで、大企業の電気製品(エアコン、掃除機など)においてその効能が強調された。滝の水にマイナスイオンが発生しているというイメージで健康感を植え付け、それを自宅でも手軽に浴びられると宣伝したのである。プラスの電荷を持つ悪者の活性酸素をマイナスイオンで中和することができるという印象を利用したとも言える。実際には、各社ともマイナスイオン効果を厳密に実証しておらず、根拠は至って薄弱であった。マイナスイオンという言葉が客の気を惹きつけられることに目を付けて、こぞって売り出したのが真相だろう。事実、マイナスイオン効果はあっても微々たるものでしかなく、本質的に意味がないことが判明している。
~~~~~~~~~~~~~
この本が出た2008年の時点で、マイナスイオンドライヤーはすでに消費者の間で確固たる地位を築いていました。メーカーも抗菌・抗ウイルス作用などの分野でそれなりに試験を重ねていました。そういうことに言及せず、中途半端な知識でマイナスイオンを断じるのは学者として好ましい態度とはいえません。
>※会員には34社の名前があるが、私の不勉強のためか聞き覚えのある社名はない。大学は本協会には所属していない。
例えば、こちらのサイトをご覧ください。
http://kadenfan.hitachi.co.jp/ioncare/ion_incidence/
ヘアドライヤーから出てくるマイナスイオン量について「測定条件:室温26℃、湿度62% 測定距離:吹出し部から20cm 日本機能性イオン協会測定」と書いてあります。大学が会員になる必然性はなさそうだし、企業だっておカネを払って測定を依頼すればいいだけのことなので、会員企業の知名度をタテにとって協会に何か不信感を抱くとしたら筋違いです。むしろJISを根拠なく軽視する方が非難の的になるでしょう。
>※大変わかりやすく解説されています。ssfs様からこの文献は査読付きであると聞いていましたが、「解説」となっていますし、内容からも査読付き論文ではないと判断いたしました。その理由は、実験方法が具体的でない。測定方法が明確に示されていない。マイナスイオン濃度が示されていない。図13には実験で得られた結果が実験点として書き込まれていない。などの理由によるものです。
受付→受理の手続きを経ているので、いちおう査読付きと判断しています。また、単一テーマの論文よりも解説や総説のほうが、一般的に価値が高いのはご存知ですよね。ときには問題をはらむ査読プロセスを金科玉条のように扱うのは、好ましいとは思えません。とくに消費者向けの製品の場合、消費者が喜ぶようなものであれば、杓子定規の論文の必要度は低いと考えます。
イオン濃度は「科学に似て科学でないもの」論と無関係では? それと大阪市大とシャープのアトピー論文はどのように評価していますか?
シャープがこのサイト↓にまとめているようなことが信じられないというのであれば、
http://www.sharp.co.jp/pcig/feature/
そのように思い続けてください、としか言いようがありません。ただし相当に主観的です。
>※この論文は実験方法、結果、引用文献がしっかりしており、明らかに査読付き文献であると考えられます。p23には、「負イオンは微生物の増殖を抑制する静菌効果しかもたないが、他の増殖抑制手段と併用すれば殺菌まで行える物質であることが分かった。(この孫引き文献は同著者による、防菌防黴、25、625-632(1997)です。内容は確認できていません)。陰イオン濃度はシャープの実験と同程度です。その濃度では、細菌を死滅させることは難しく、その成長を止めるのがやっとだと言っています。
谷村氏の論文は日本冷凍空調学会誌「冷凍」の1996年4月号に、「負イオンを利用した低温貯蔵技術」と題したものがあり、「装置出口での負イオン濃度を約10の5乗個/cm3、オゾン濃度を0.002ppm以下」という条件でイチゴとクジラ肉の保存実験をしています。これは大手メーカーが行ったマイナスイオンの工業応用にからむ最古の実験と思われます。
論文の数にこだわるのは得策とは思えません。純粋な机上の学問と商品がからむ場合は分けて考える方が現実的です。自動車を買う時に、論文が多く出ている企業のものを買うわけではありますまい。家電製品だって同じことです。
>結局、今回の調査によっても、残念ながら私はイオンクラスターの信者にはなれませんでした。
信者という科学的でない表現を使うのは不適切です。そもそもの「科学に似て科学でないもの」という出発点が、誰かに思い込まされていた実体のない与太話であったことは理解していただけたはずです。私も2005年まではそのように思っていました。しかし、詳しく調べてみると、ニセ科学批判者が嘘ばっかりついていたことを思い知るはめになりました。
もっと詳しいことを知りたければ、ヤフー掲示板の「マイナスイオン」監視室においでください。マイナスイオンがらみのほかでは見られない情報がたくさんあります。
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1835549&tid=a1va5dea5a4a5ja59a5a4a5aaa5sa1w4fbbkbcbc&sid=1835549&mid=1&first=1
ただし情報の価値がないクズ投稿が多いので、私ssfs(2007、2009、2010、2012)とwinterry001さん以外の投稿は、無視リストに入れるとすっきりするでしょう。
ニセ科学は人心を魅了して止まないが、その科学的確からしさを保証する証拠は希薄である
http://highsociety.at.webry.info/201201/article_15.html