モノクロナール抗体医薬 アバスチン 薬効がないとして乳ガン治療の認可取消し だが、次の一手あり!?

モノクロナール抗体は特定の抗原とひっつくことができる。ピンポイントを標的とするミサイルにも例えられる。その性質を利用したのがモノクロナール抗体医薬である。アバスチンはガンに効果を発揮する医薬として乳ガンの治療薬として認可されたが、その効果が認められなく、副作用もあることより医薬としての意味がないと判断されたようだ。

なぜ、そのような医薬が臨床試験をクリアしたかは疑問であるが、邪推すると米国の戦略の一貫である可能性もある。ともかく外貨を稼げる産業を育成すること。そのためには最大限の努力をすること。

ちなみに、このモノクロナール抗体医薬による治療費は非常に高額で、日本の場合、高額療養費(Wikipedia)制度でその多くが賄われることになる。したがって、この医薬を用いての治療が一般化してくると皆保険制度の破局を早めるか、あるいは保険料の値上げに結びつくことになる。

現在、アバスチンは、日本でも大腸がんや肺がんに加え、9月から乳がんに対する使用が承認されている。

なお、モノクロナール抗体に何を付けるかで次のような治療法も試されている。これが成功するとガンの画期的な治療方法となることが期待される。


毎日新聞 11月7日

がん細胞:近赤外光で破壊 マウスで成功 米チーム

 体の外から光を当ててマウス体内のがん細胞を破壊する実験に、米国立衛生研究所の研究チームが成功し、6日発行の科学誌「ネイチャーメディシン」(電子版)に発表した。正常な細胞は傷つけず、効率的にがん細胞だけを破壊できる治療法として、数年以内の臨床応用を目指すとしている。

 チームは、主にがん細胞に存在するたんぱく質と結びつく性質を持った「抗体」に注目。この抗体に、近赤外光の特定の波長(0.7マイクロメートル)で発熱する化学物質を取り付け、悪性度の高いがんを移植したマウスに注射した。

 その後、がんがある部位に体外から近赤外光を15~30分間当てた。計8回の照射で、がん細胞の細胞膜が破壊され、10匹中8匹でがんが消失、再発もなかった。一方、抗体注射と照射のどちらかだけを施したマウスや何もしなかったマウスは、すべてが3週間以内にがんで死んだ。複数の種類のがんで同様の効果を確認。注射された抗体ががん細胞と結びつき、照射によって化学物質が発する熱で衝撃波が発生、がん細胞だけを壊したと結論づけた。

光自体が無害なため繰り返し照射でき、体表から5~10センチ程度の深さまで届くという。抗体は、肺、、前立腺、大腸、卵巣、白血病、悪性リンパ腫などさまざまながんに使えるものが承認されており、数年以内に臨床応用を実現させたいとのこと。




読売新聞 11月19日

アバスチン、乳がん治療承認取り消し…米当局

 米食品医薬品局(FDA)は18日、抗がん剤「アバスチン」の乳がん治療に対する承認を取り消すと発表した。

 アバスチンはもともと大腸がんや肺がんなどに使われている。乳がんにも効果があるとの臨床試験データを受け、FDAは早期承認手続きを適用、2008年に乳がんに対象を広げた。

 しかし、その後の2件の臨床試験では、目立った効果は確認できず、FDAは、高血圧などの重大な副作用を上回るだけの利益がなく、患者の延命、生活の質の向上に資する証拠がないと判断した。

 アバスチンは、日本でも大腸がんや肺がんに加え、9月から乳がんに対する使用が承認されている。



朝日新聞 11月19日

乳がん治療の認可取り消し=ロシュの抗がん剤―米FDA

 米食品医薬品局(FDA)は18日、抗がん剤アバスチン(一般名ベバシズマブ)の転移性乳がんへの適用を取り消した。2008年2月、緊急性が高い薬の申請に適用されるFDAの迅速承認制度のもと追加の臨床試験を実施するとの条件付きで承認されていたが、結果として生存率や生活の質の向上には効果がないと判断した。大腸がんなど、それ以外のがんへの適用については「これまで通り何ら変わりない」と説明している。

 アバスチンは日本でも07年に大腸がんに対して承認され、今年9月には手術不能または再発乳がんに対して追加承認を受けている。



ベバシズマブ(Wikipedia)

血管内皮細胞増殖因子(VEGF)に対するモノクローナル抗体である。VEGFの働きを阻害することにより、血管新生を抑えたり腫瘍の増殖や転移を抑えたりする作用を持つ。分子標的治療薬の一つであり、抗がん剤として使用される他、加齢黄斑変性や糖尿病性網膜症の治療薬として期待されている。

ベバシズマブを用いた製剤はスイスのロシュ社と、その子会社であるジェネンテック社によって製造され、「アバスチン(Avastin)」の商品名で販売されている[1]。

一方アメリカでは2011年11月、「高血圧や出血などの副作用がある一方で、明確な治療効果が確認されない」として、それまでアバスチンに認められていた乳癌治療への適応が承認取り消しとなった[2]。

アバスチン

ベバシズマブを用いた製剤であるアバスチンはpH 6.2の透明〜微乳白色、微褐色の液体で、点滴静注で使用される。25 mg/mLのベバシズマブを含有する。アバスチンは2010年まで、金額ベースで世界でベストセラーの抗癌剤となっており、ロシュ社に莫大な利益をもたらしていた[2]。この背景には、治療適応疾患の拡大のほか、薬剤価格が非常に高額であることがあり、例えばアメリカでは、アバスチンによる転移性乳癌の治療を受けている患者が支払うアバスチンの代金は通例、年間 88,000ドル(約880万円)以上となっている[2]。

2004年2月26日米国食品医薬品局(FDA)は、アバスチンを未治療転移性大腸癌の治療薬として承認し[3]、また欧州医薬品局(EMEA)も2005年1月12日に同適応承認した。

さらにFDAは2006年10月12日扁平上皮癌を除く切除不能再発・転移性非小細胞肺癌に対する治療薬として、カルボプラチン・パクリタキセルとの併用療法において追加承認した[4]。2008年2月22日には、FDAはHER2陰性の未治療転移性乳癌対する治療薬として、パクリタキセルとの併用療法において追加承認したが[5]、その後の臨床試験では治療効果無しとの報告が相次ぎ、2011年11月になるとFDAは同適応への承認を取り消した[2]。


化学式

軽鎖(1-214 残基)
(C1034H1591N273O338S6)
重鎖(1-453 残基)
(C2235H3413N585O678S16)

分子量 149,000




モノクロナール抗体(Wikipedia)

米バイオテクノロジー産業における役割

モノクローナル抗体は1990年代後半から、バイオテクノロジー産業に革命をもたらし、現在のバイオテクノロジー薬品のほぼ3分の1はモノクローナル抗体である。1997年にGENENTECH社のRituxan抗体が抗CD20抗体として非ホジキンリンパ腫 (NHL) に対して認可されたのをはじめ、Herceptin, Avastinなどのシグナルトランスダクションやアンジオジェネシスを標的とする新型をふくめ、現在15以上のモノクローナル抗体ががん治療などに使われ、少なくとも100を超えるモノクローナル抗体がPhaseI・II・IIIの臨床試験で開発されている。特にがん治療において使われ、2004年の売り上げは約60億ドル、2008年までにモノクローナル抗体の売り上げは150億ドルを超えると予想される。また、次世代モノクローナル抗体で呼ばれる、放射性同位体を結合したものや、抗体可変部位のみの極小型、などの新型が開発されている。

成功した抗体の売り上げは莫大で、2004年は抗TNF-α抗体Remicade(Centocor社)がトップで21億ドル、Rituxanが17億ドルとブロックバスター製品となっている。特にGENENTECH社が開発した3つのモノクローナル抗体製品(Rituxan, Herceptin, Avastin)はその全てがFDAから認可されており、その全てがヒット製品になっている。一般に4-6年に及ぶ臨床試験で製品が生き残る確率はわずか20%であることから考えて、これは米製薬業界史上稀にみる成功である。

モノクローナル抗体が最も成功した要因にひとつは、抗体はもともと生体防御タンパク質として進化した分子なので、他のタンパク質と比べ極めて安定性の高く半減期が長いこと、標的と結合した後、身体の免疫機構を利用するため、増幅効果を期待できることなどである。これとくらべ、同じく1990年代から開発中のアンチセンス (antisense) 薬品は、標的細胞内の核内に輸送すること自体が至難の業であることから、GENTA社やISIS社が莫大な開発費を投じた製品はほぼ全て失敗に終わっている。

日本で上市されている医薬品

モノクローナル抗体薬の名称は語尾が"-mab"(Monoclonal AntiBodies)であらわされる(分子標的治療薬参照)。
リツキシマブ
ベバシズマブ
トシリズマブ
インフリキシマブ
ゴリムマブ
トラスツズマブ
アダリムマブ
ラニビズマブ
イブリツモマブ
オマリズマブ


            

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