6トンの衛星が明日の午前に落下 その詳細情報を調べてみたが、日本に落下する確率はまだわからない

今、日本の上空を大魔王が飛び回っていて、もうすぐ地上に降り立ってくる。このような書き出しで始めると悪魔の書のようになってしまうが、20年前に打ち上げられ、すでにその使命を終えた6トンもある人工衛星が日本時間の24日(すなわち明日)の午前にも世界のどこかに落下しようとしている。

この時間帯に衛星がどの国の上を飛行しているかが大きな問題となるが、文部科学省よりその情報が提供されている。日本上空は2度通ることになっている。しかし、この情報には残念ながら重要なデータがひとつ抜けている。衛星はいくら円軌道を描いていると言っても、厳密には多少楕円軌道となっていて、必ず近地点と遠地点がある。そして、衛星は近地点付近で地球に落下すると考えるのが妥当である。その近地点となる場所がどこであるか? それが軌道図に示されれば落下地点が絞れることになる。

衛星は一定の楕円軌道を回り、その中で地球が自転していると考えると、衛星は特定の緯度の範囲に落下することになる。下のNHKニュースからはアメリカ上空を北西から南東に横切ったあと??とあるので、日本に落ちてくる確率は極めて小さいことになる。しかしながら、下の軌道図を見てみるとアメリカは南西の方向から北東の方向へと通過することになる。真逆である。

以上のことより、残念ながらまだ落下点を特定するに十分な情報は提供されていないようである。


NASAの情報 軌道高度が逐次低下してきている様子がわかります。
 http://www.nasa.gov/rss/uars_update.xml

       日   時   分   高度(km)~高度(km)
       12  21  29     235     265
       15  21  54     230     255
       17   4  17     225     250
       19  12   9     215     240
       20   5  20     210     230
       21   5   0     205     225
       21  21   3     195     210
       22   7  35     190     205
       22  20  44     185     195
       23  11   1     175     185
       23  23  45     160     170
   ※ただし、日時は文部科学省Facebookでの発表時刻
    



この時点での最新記事は
‎2011‎年‎9‎月‎22‎日、‏‎20:44:51
As of 7 a.m. EDT Sept. 22, 2011, the orbit of UARS was 115 mi by 120 mi (185 km by 195 km). Re-entry is expected sometime during the afternoon of Sept. 23, Eastern Daylight Time. The satellite will not be passing over North America during that time period. It is still too early to predict the time and location of re-entry with any more certainty, but predictions will become more refined in the next 24 to 36 hours.



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NHKニュース 9月23日

人工衛星 北米通過後に落下へ

NASA=アメリカ航空宇宙局は、22日、地球に向けて落下を続けている人工衛星について、北アメリカの上空を通過したあと、早ければ日本時間の24日未明に大気圏に突入すると発表しました。

この問題は、地球の周りを回っていたNASAの人工衛星が6年前に運用を終えたあと、地上に向けて徐々に落下しているもので、大気圏に突入すると衛星の大部分は燃えてなくなりますが、一部の破片が地上に到達する恐れが指摘されています。NASA=アメリカ航空宇宙局は、22日、最新の情報を発表し、衛星は北アメリカの上空を北西から南東へと通過したあと、日本時間の24日未明から昼前にかけて大気圏に突入するとしています。

NASAは、衛星の破片26個が地上に到達する恐れがあり、日本列島を含む北緯57度から南緯57度の間の広い地域に破片が落下する可能性があるとしています。また、破片の重さは、小さいものは1キロ程度、最も大きいものはおよそ160キロとしています。NASAによりますと、衛星は制御できない状態のため、いつ、どこで大気圏に突入するのか、詳しいことは直前になっても予測できない可能性があるとしています。NASAは、破片が人に当たる確率は極めて低いとしていますが、引き続き監視を続け、ホームページなどを通して情報を提供していきたいとしています。




JIJICOM 9月22日

米衛星落下「冷静対応を」=官邸連絡室を設置-藤村官房長官

 藤村修官房長官は22日午後の記者会見で、米航空宇宙局(NASA)の運用を終えた人工衛星が24日に地球上に落下する可能性があるとして、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置したことを明らかにした。同長官は「日本周辺地域に落下し、国民に被害が出る可能性は極めて小さいと考えている。普段通りの生活を送っていただきたい」と述べ、国民に冷静な対応を呼び掛けた。

 藤村長官は「人工衛星の残骸には有害物質は含まれない」と説明。「わが国に何らかの危機、危険を及ぼす状況が認められる際には、即時に国民にお知らせする」と語った。

 この人工衛星は、1991年に打ち上げられた大気観測衛星「UARS」(約6トン)。藤村長官は「おおむね日本時間24日午前に大気圏に再突入し、一部が燃え尽きずに地表に落下することが予測されている」と説明した。NASAの最新情報の日本語訳は文部科学省のホームページに掲載されている。




人工衛星の軌道 文部科学省のホームページより

画像




スペースデブリの数 科学技術振興機構のWebラーニングプラザ 宇宙システムコースより

  今までに打ち上げられた衛星 6700機以上、軌道上の1m以上の物体は5500トン以上
  そのうち95%がデブリ化している。
  カタログとは:アメリカが軌道を把握しているデブリを収録したもの
    低軌道では10cm以上、静止軌道では1m以上と、小さなデブリの追跡は難しい。

画像



      

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この記事へのコメント

伝右
2011年09月24日 23:39
事の顛末

asahi.com 2011年9月24日22時23分
人工衛星が落下、太平洋上で突入 NASA

 米航空宇宙局(NASA)は24日、運用を終えた人工衛星「UARS」が地球に落下したと発表した。23日午後11時23分~24日午前1時9分(日本時間24日午後0時23分~同2時9分)の間に落ちたという。太平洋上で大気圏に突入したとみているが、詳細な時間や場所を調べている。

 UARSは1991年に打ち上げられた大気観測衛星で、2005年に運用を終え、自然落下に任せる状態だった。NASAは今月9日、「9月下旬から10月上旬にかけて落下が見込まれる」と発表していた。
伝右
2011年10月12日 18:59
NASAのホームページより
Re-entry and Risk Assessment for the NASA Upper Atmosphere Research Satellite (UARS)
http://www.nasa.gov/pdf/585584main_UARS_Status.pdf

NASA’s highest fidelity software program for reentering satellites is called
ORSAT: Object Reentry Survival Analysis Tool.
2011年10月23日 14:12
文部科学省 MEXT

総理官邸内危機管理センター内の「ドイツ人工衛星落下に関する情​報連絡室」より、以下の通り、発表がありましたのでお伝えいたし​ます。

平成23年10月23日13:30
情報連絡室

ドイツ人工衛星に関する情報について

米国戦略司令部の統合宇宙運用センター(JSpOC)の情報によ​れば、ドイツのX線観測衛星(ROSAT)は、グリニッジ標準時​の10月23日01時50分(日本時間10月23日10時50分​)にインド洋上空で大気圏に再突入したと推測されています。(誤​差±7分)
 
現時点において、被害に関する情報は入っていません。引き続き関​連情報の収集に努めてまいります。

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