オリオン座のベテルギウス 地球からの距離600光年 超新星爆発を起こす前兆が観察される
1054年の超新星爆発の記録が、藤原定家の日記『明月記』に残っていているとのことです。それから約1000年弱、超新星と巡り合える機会などは一生のうちにないものと思っていました。
しかし、肉眼で見える見えないの問題はありますが、ここ1000年は100年に1回ずつ位の爆発が観測されています。11日の新聞でも岡山のアマチュア天文家が超新星爆発を観測したとのニュースが伝わってきました。ひょっとすると、一生のうちに一度は肉眼で超新星爆発に巡り合えるチャンスがあるかもしれません。
また、別のニュースによると、オリオン座のベテルギウスに異変が起こり、いつ超新星爆発を起こしても不思議ではない状態となっているそうです。ただし、天文学的な時間ですので、明日爆発するか、数万年後に爆発するかは定かではないそうです。
しかし、ベテルギウスまでの距離はたった600光年。ばくはつが起これば明るく光り輝くと考えられています。ただし、爆発によりオリオン座の星の一つが消えてなくなることになりますが。
明月記
後冷泉院・天喜二年四月中旬以後の丑の時、客星觜・参の度に出づ。東方に見(あら)わる。天関星に孛(はい)す。大きさ歳星の如し。(原文読み下し)
今回、広島県のアマチュア天文家が大爆発した超新星を発見したとのニュースがあった。絶対等級は-18.76と計算され、この超新星が、ベテルギウスと同じ距離の600光年にあれば、その明るさは-12.4等級となる。これは満月の月とほぼ同じ明るさになります。明月記に記された1054年の超新星のみかけの明るさでも-6等級であるので、いかに明るく輝いた爆発であったかが分かります。
中国新聞 1月11日より
広島の天文家が超新星発見
広島市安佐北区口田南のアマチュア天文家坪井正紀さん(55)が、地球から約1億4千万光年離れた銀河で、寿命が終わった恒星が大爆発して輝く超新星を発見した。10日までに国際天文学連合が認定した。中国地方のアマチュア天文家が超新星を発見したのは初めてという。
超新星は、おおぐま座の北斗七星の方向にある銀河「NGC 5370」にあり、明るさは14・4等級。8日午前2時半ごろ、自宅屋上に設置した口径30センチの反射望遠鏡で撮影した。2009年9月と11月に撮影した同じ銀河の画像にはこの超新星の姿はなかった。
約10年前から自宅で観測を続けている坪井さんは「10年越しの努力が報われた。世界で1番最初に新しい星を見つけられてうれしい」と喜んでいる。国際天文学連合は、超新星を「2010B」として認定した。
等級 (天文) (Wikipedia)
天文学において等級(とうきゅう、magnitude)とは、天体の明るさを表す尺度である。整数または小数を用いて「1.2等級」あるいは省略して「1.2等」などと表す。恒星の明るさを表す場合には「2等星」などと呼ぶ場合もある。等級の値が小さいほど明るい天体であることを示す。また、0等級よりも明るい天体の場合の明るさを表すには負の数を用いる。
等級が1等級変わると明るさは100の5乗根、すなわち約2.512倍変化する。よって等級差が5等級の場合に明るさの差が正確に100倍となる。
見かけの等級(実視等級) 絶対等級 天体名
-26.7 +4.8 太陽
-12.7 - 月 (満月時。半月でも-10等前後)
-4.7 - 金星の最大の明るさ
-3.0 - 火星の最大の明るさ
-1.46 +1.45 太陽の次に明るい恒星シリウス
-0.72 -5.54 3番目に明るい恒星カノープス
+0.03 +0.58 変光星ベガの標準的明るさ
+6.0 - 肉眼で見える最も暗い恒星
+7.9 - 海王星の平均の明るさ
+12.6 最も明るいクエーサー
+30 - ハッブル宇宙望遠鏡で観測できる最も暗い天体
天体を地球から10パーセク(32.6光年)の距離に置いたものと仮定したときの明るさを絶対等級(absolute magnitude) と呼び、天体の絶対的な明るさの指標として用いる。これに対して観測したままの等級を実視等級 (apparent magnitude) と呼ぶ。例えば太陽の絶対等級は+4.8で、実視等級は-26.7である。また、全波長の総エネルギー量を反映した絶対等級を放射絶対等級 (bolometric absolute magnitude) という。
地球から d パーセクの距離にある天体の実視等級 m と絶対等級 M の間には、
M = m + 5 − 5log10d
の関係がある。
この式から分かるように、ある天体の絶対等級を何らかの方法で見積もることができれば、その天体の実視等級との差から、その天体までの距離を見積もることができる。
主な超新星(Wikipediaより)
asahi.com 1月10日より
ベテルギウスに爆発の兆候 大きさ急減、表面でこぼこ
オリオン座の1等星「ベテルギウス」で、超新星爆発へ向かうと見られる兆候が観測されている。米航空宇宙局(NASA)が6日に公開した画像には、星の表面の盛り上がりとみられる二つの大きな白い模様が写っていた。この15年で大きさが15%減ったという報告もあり、専門家は「爆発は数万年後かもしれないが、明日でもおかしくない」と話す。もし爆発すれば、満月ほどの明るさになり、昼でも見えるようになる。
冬の大三角の一つでもあるベテルギウスは、赤色超巨星と呼ばれる巨大な星。直径は太陽の1千倍で、太陽系にあるとしたら、地球や火星はおろか木星までが覆われる大きさだ。重いため一生は短く、まだ数百万歳(太陽は46億歳)だが、すでに寿命に近い。最後は超新星爆発を起こし、ブラックホールなどになるとされる。
地球からの距離は約600光年。地球からベテルギウスを見ると、東京から大阪に置いてあるソフトボールくらいの大きさにしか見えず、これまでは大きな望遠鏡でも点程度にしか見えなかった。だが近年は、複数の望遠鏡を組み合わせて解像度を上げることにより、その表面や周囲のガスの流れまで撮影できるようになった。
昨年、米欧の研究者がほぼ同時に3本の論文を発表し、ベテルギウスが大量のガスを放出していることや大きさの急減が示された。ガスの放出によって星の表面が梅干しのようにでこぼこに膨らんでいるらしい。
ただ、その後の別の観測では、大きさの変化はあまりないという報告も出ているという。3本の論文のうちの1本の著者で、独マックスプランク電波天文学研究所の大仲圭一研究員は「爆発がいつかは分からないが、死の直前を見ているのは間違いない。今まで想像するしかなかった星表面の様子も、実際に見て確かめられるようになってきた」と話す。
ベテルギウスの表面。明るい部分は盛り上がっていて、周囲よりも温度が高いとみられる部分(右下の棒の長さは、見かけの角度で0.01秒角)=米航空宇宙局(NASA)、パリ天文台提供
オリオン座。左上の明るい星がベテルギウス=沼沢茂美氏撮影
しかし、肉眼で見える見えないの問題はありますが、ここ1000年は100年に1回ずつ位の爆発が観測されています。11日の新聞でも岡山のアマチュア天文家が超新星爆発を観測したとのニュースが伝わってきました。ひょっとすると、一生のうちに一度は肉眼で超新星爆発に巡り合えるチャンスがあるかもしれません。
また、別のニュースによると、オリオン座のベテルギウスに異変が起こり、いつ超新星爆発を起こしても不思議ではない状態となっているそうです。ただし、天文学的な時間ですので、明日爆発するか、数万年後に爆発するかは定かではないそうです。
しかし、ベテルギウスまでの距離はたった600光年。ばくはつが起これば明るく光り輝くと考えられています。ただし、爆発によりオリオン座の星の一つが消えてなくなることになりますが。
明月記
後冷泉院・天喜二年四月中旬以後の丑の時、客星觜・参の度に出づ。東方に見(あら)わる。天関星に孛(はい)す。大きさ歳星の如し。(原文読み下し)
今回、広島県のアマチュア天文家が大爆発した超新星を発見したとのニュースがあった。絶対等級は-18.76と計算され、この超新星が、ベテルギウスと同じ距離の600光年にあれば、その明るさは-12.4等級となる。これは満月の月とほぼ同じ明るさになります。明月記に記された1054年の超新星のみかけの明るさでも-6等級であるので、いかに明るく輝いた爆発であったかが分かります。
中国新聞 1月11日より
広島の天文家が超新星発見
広島市安佐北区口田南のアマチュア天文家坪井正紀さん(55)が、地球から約1億4千万光年離れた銀河で、寿命が終わった恒星が大爆発して輝く超新星を発見した。10日までに国際天文学連合が認定した。中国地方のアマチュア天文家が超新星を発見したのは初めてという。
超新星は、おおぐま座の北斗七星の方向にある銀河「NGC 5370」にあり、明るさは14・4等級。8日午前2時半ごろ、自宅屋上に設置した口径30センチの反射望遠鏡で撮影した。2009年9月と11月に撮影した同じ銀河の画像にはこの超新星の姿はなかった。
約10年前から自宅で観測を続けている坪井さんは「10年越しの努力が報われた。世界で1番最初に新しい星を見つけられてうれしい」と喜んでいる。国際天文学連合は、超新星を「2010B」として認定した。
等級 (天文) (Wikipedia)
天文学において等級(とうきゅう、magnitude)とは、天体の明るさを表す尺度である。整数または小数を用いて「1.2等級」あるいは省略して「1.2等」などと表す。恒星の明るさを表す場合には「2等星」などと呼ぶ場合もある。等級の値が小さいほど明るい天体であることを示す。また、0等級よりも明るい天体の場合の明るさを表すには負の数を用いる。
等級が1等級変わると明るさは100の5乗根、すなわち約2.512倍変化する。よって等級差が5等級の場合に明るさの差が正確に100倍となる。
見かけの等級(実視等級) 絶対等級 天体名
-26.7 +4.8 太陽
-12.7 - 月 (満月時。半月でも-10等前後)
-4.7 - 金星の最大の明るさ
-3.0 - 火星の最大の明るさ
-1.46 +1.45 太陽の次に明るい恒星シリウス
-0.72 -5.54 3番目に明るい恒星カノープス
+0.03 +0.58 変光星ベガの標準的明るさ
+6.0 - 肉眼で見える最も暗い恒星
+7.9 - 海王星の平均の明るさ
+12.6 最も明るいクエーサー
+30 - ハッブル宇宙望遠鏡で観測できる最も暗い天体
天体を地球から10パーセク(32.6光年)の距離に置いたものと仮定したときの明るさを絶対等級(absolute magnitude) と呼び、天体の絶対的な明るさの指標として用いる。これに対して観測したままの等級を実視等級 (apparent magnitude) と呼ぶ。例えば太陽の絶対等級は+4.8で、実視等級は-26.7である。また、全波長の総エネルギー量を反映した絶対等級を放射絶対等級 (bolometric absolute magnitude) という。
地球から d パーセクの距離にある天体の実視等級 m と絶対等級 M の間には、
M = m + 5 − 5log10d
の関係がある。
この式から分かるように、ある天体の絶対等級を何らかの方法で見積もることができれば、その天体の実視等級との差から、その天体までの距離を見積もることができる。
主な超新星(Wikipediaより)
超新星 | 年 | 星座 | 銀河 | 最大光度 | 型 | 残骸・別名 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SN 185 | 185年 | ケンタウルス座 | 銀河系 | -8 | RCW 86 | 最古の観測記録 | |
SN 393 | 393年 | さそり座 | 銀河系 | -1 | RX J1713.7-3946 ? | ||
SN 1006 | 1006年 | おおかみ座 | 銀河系 | -9 | I | ||
SN 1054 | 1054年 | おうし座 | 銀河系 | -6 | II? | かに星雲 | |
SN 1181 | 1181年 | カシオペア座 | 銀河系 | 0 | II | 3C58 | |
SN 1572 | 1572年 | カシオペア座 | 銀河系 | -4 | I | チコの星 | |
SN 1604 | 1604年 | へびつかい座 | 銀河系 | -2.5 | I | ケプラーの星 | 銀河系で最後 |
SN 1885A | 1885年 | アンドロメダ座 | アンドロメダ銀河 | 5.8 | Ia | アンドロメダ座S星 | 他銀河で初の発見 |
SN 1987A | 1987年 | かじき座 | 大マゼラン星雲 | 2.9 | II | 肉眼で見えた最後 | |
SN 2002bj | 2002年 | うさぎ座 | NGC 1821 | .Ia | 2009年の解析により新型超新星と確認 | ||
SN 2006gy | 2006年 | ペルセウス座 | NGC 1260 | 15.0 | II | 最大級の超新星 | |
SN 2009dc | 2009年 | かんむり座 | UGC 10064 | Ia | チャンドラセカール限界 を超えた初の爆発 |
asahi.com 1月10日より
ベテルギウスに爆発の兆候 大きさ急減、表面でこぼこ
オリオン座の1等星「ベテルギウス」で、超新星爆発へ向かうと見られる兆候が観測されている。米航空宇宙局(NASA)が6日に公開した画像には、星の表面の盛り上がりとみられる二つの大きな白い模様が写っていた。この15年で大きさが15%減ったという報告もあり、専門家は「爆発は数万年後かもしれないが、明日でもおかしくない」と話す。もし爆発すれば、満月ほどの明るさになり、昼でも見えるようになる。
冬の大三角の一つでもあるベテルギウスは、赤色超巨星と呼ばれる巨大な星。直径は太陽の1千倍で、太陽系にあるとしたら、地球や火星はおろか木星までが覆われる大きさだ。重いため一生は短く、まだ数百万歳(太陽は46億歳)だが、すでに寿命に近い。最後は超新星爆発を起こし、ブラックホールなどになるとされる。
地球からの距離は約600光年。地球からベテルギウスを見ると、東京から大阪に置いてあるソフトボールくらいの大きさにしか見えず、これまでは大きな望遠鏡でも点程度にしか見えなかった。だが近年は、複数の望遠鏡を組み合わせて解像度を上げることにより、その表面や周囲のガスの流れまで撮影できるようになった。
昨年、米欧の研究者がほぼ同時に3本の論文を発表し、ベテルギウスが大量のガスを放出していることや大きさの急減が示された。ガスの放出によって星の表面が梅干しのようにでこぼこに膨らんでいるらしい。
ただ、その後の別の観測では、大きさの変化はあまりないという報告も出ているという。3本の論文のうちの1本の著者で、独マックスプランク電波天文学研究所の大仲圭一研究員は「爆発がいつかは分からないが、死の直前を見ているのは間違いない。今まで想像するしかなかった星表面の様子も、実際に見て確かめられるようになってきた」と話す。
ベテルギウスの表面。明るい部分は盛り上がっていて、周囲よりも温度が高いとみられる部分(右下の棒の長さは、見かけの角度で0.01秒角)=米航空宇宙局(NASA)、パリ天文台提供
オリオン座。左上の明るい星がベテルギウス=沼沢茂美氏撮影
この記事へのコメント
すごいなあ・・・
夜は明るいままでしょうし・・・
楽しそう!(笑
為になりました♪
地球や人類に悪影響はあまりないので、心配はないですね♪
ガンマ線も直撃はしないだろうし・・・
こういうのって、考えてると、面白いです♪
早く2012年にならないかな・・・((殴