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zoom RSS 高校化学部の女学生が新発見 しかも英文で査読付き論文に投稿 勝因は几帳面でなかったことと観察眼

<<   作成日時 : 2011/11/19 19:32   >>

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予期しなかった発見というものは、勿論意図してなされるものではありません。それは偶然に起こりますが、その偶然をチャンスと捉えたもののみに天使が微笑むことになります。

今回のケースも、今までは単なる振動反応で、その振動反応が収束すれば、そこで一連の反応は終わりと思われていたものが、さらにそのさきがあったなどと、誰もが気がつかなかった事象を見出したところに価値があります。この事象が見出されたのには次の2つの理由があるのではないでしょうか。
1.実験が終わればすぐに実験器具を洗浄してその日の仕事を終了するが、彼女たちはそれをしなかった。
  (ある意味、几帳面な化学者ではなかったということになりますが)
2.実験書に書いてあるのとは色が違っていることに気づいた。そして、それが重要なことであると認識した。

そして最も大切なことであるが、その発見が今までに知られていない新たな事象であるとして報告した。日本の雑誌に投稿しないであえて海外の査読付論文(一般的にレフリー2人が掲載にふさわしい内容であるかを判定する論文)に英文で投稿したことで、その発見の内容の高さを世界の化学者に知らしめた。

蛇足ながら、類似した科学の大発見には次のようなものがあります。

フレミングが培養実験の際に誤って、雑菌であるアオカビを混入(コンタミネーション)させたことが、のちに世界中の人々を感染症から救うことになる抗生物質発見のきっかけになった。シャーレを片付けずにしばらく放置しておいたからこの発見があったと言われている。

田中耕一による、高分子質量分析法(MALDI法)の発見 失敗したと思った試料を、捨てる前に分析してみると良い結果が得られた。

2010年のノーベル物理学賞 二次元物質グラフェンに関する革新的実験 鉛筆の芯に触れたセロテープをゴミ箱から拾ってきて、それを観測したところグラフェンを見出した。




読売新聞 11月17日

部活リケジョ、「化学」大発見、米誌に掲載へ

 茨城県の女子高生らが新たな化学現象を発見し、権威のある米専門誌に論文が掲載されることが決まった。

 専門家は「高校生の論文掲載は世界的な快挙。今後は彼女らの実験結果を、プロの化学者が後追い研究することになるだろう」とたたえている。

 茨城県立水戸第二高の数理科学同好会に所属し、今春までに卒業した小沼瞳さん(19)ら5人で、2008年2月の金曜日、「BZ反応」という実験を行った。酸化と還元の反応を繰り返すことにより、水溶液の色が赤と青に交互に変わる。

 その日、水溶液の色は想定通り赤で動かなくなった。メンバーは器具を片付けないままカラオケへ。ところが月曜日に実験室に戻ると、液は黄色くなっていた。

 予想外のことで、観察を繰り返した結果、赤青の変化が一度止まった後、突然、始まった。全く知られていない現象だったが、試薬の条件が整えば、5〜20時間後に変化が再開することを突き止めた。


どのような反応であるかはこちらのYou-Tubeを参照
こちらのYou-TubeはとてもBeautifulです。


ベロウソフ・ジャボチンスキー反応(Wikipedia)

画像


シャーレ内で進むベロウソフ・ジャボチンスキー反応。80秒、160秒と時間が進むにつれて、同心円状のパターンが広がっていく様子が観察できる

Belousov-Zhabotinsky reaction(略してBZ反応とも呼ばれる)とは、セリウム塩などの金属塩と臭化物イオンを触媒としてマロン酸などのカルボン酸を臭素酸塩によりブロモ化する化学反応のことである。系内に存在するいくつかの物質の濃度が周期的に変化する振動反応の代表的な例として知られている。反応溶液の色が数十秒程度の周期で変化する点が演示実験向きであるためしばしば利用されている。また、この反応はリーゼガングリング現象に大きく類似しているとも言われている。

この反応に興味を持ったジャボチンスキーは1964年ごろから詳しい検討を行ない、クエン酸の代わりにマロン酸でも同様の反応が起こること、セリウム以外に鉄やマンガンの塩もこの反応を触媒することを報告した。1968年にプラハで行なわれた生物学会でこれらの結果が発表され広くこの反応が知られるようになった。

2008年には部活動で実験を行った茨城県立水戸第二高等学校の教師と生徒が、それまで反応が終了したとされていた赤色で変化が止まった状態で、後片付けをせずに下校し、試薬を放置した結果、液が黄色に変化したことを報告した。この反応は条件によって、最後の赤色で止まった後、5〜20時間放置すると反応が再開する。この発見は専門誌に掲載された[2][3]。

2.^ 部活リケジョ、「化学」大発見、米誌に掲載へ - 読売新聞 2011年11月17日
3.^ Onuma H, Okubo A, Yokokawa M, Endo M, Kurihashi A, Sawahata H (2011). “Rebirth of a Dead Belousov-Zhabotinsky Oscillator”. J. Phys. Chem. A [Epub ahead of print]. doi:10.1021/jp200103s. PMID 21999912.


J Phys Chem A. 2011 Nov 16. [Epub ahead of print]

Rebirth of a Dead Belousov-Zhabotinsky Oscillator.

Onuma H, Okubo A, Yokokawa M, Endo M, Kurihashi A, Sawahata H.
Mito Dai-ni Senior High School , Oh-machi, Mito, Ibaraki, Japan.

Abstract
Long time behaviors of the Belousov-Zhabotinsky (BZ) reaction are experimentally analyzed in a closed reactor. The amplitude of the oscillation is suddenly damped after about 10 h. After about 5-20 h, the dead oscillator is suddenly restored with nearly the same amplitude as before it stopped its oscillation for certain values of the concentrations of sodium bromate and malonic acid (MA). With the other domains of the concentrations, the oscillator simply damps and never restores its oscillation. The phase diagram of the different types of damping behaviors as a function of the concentrations is obtained.
PMID: 21999912 [PubMed - as supplied by publisher]

http://pubs.acs.org/journal/jpcafh

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「安心・安全」を追求するほど、「夢」が摘み取られる。
「女子高生 世界初の発見 米科学雑誌も紹介」という報道があった。 ...続きを見る
pessimist
2011/11/26 06:41
女子高生 化学実験で強力抗菌剤Ag2O3の非常に簡単な製法を見出し、その抗菌力を決定 成果は論文投稿
化学とは物理学と違い、経験と勘に頼る部分が多い。これは反応を決める要因(パラメータ)が多くあり、おおよそどのような反応が起こると推定できたとしても、誰にもその反応が必ず起こるなどということは保証できない。逆に、予想もしない結果を得たときには、なぜそんな反応が起こったのかと、思いもかけない幸運に恵まれた実験者が、その原因を後から追求してその原理を突き止めるといったことも往々にしてある。 ...続きを見る
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2011/12/05 19:19
レイバン ウェイファーラー
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
この高校生たちの発見は素晴らしいですね。
何が発見の糸口になるか、わからないですね。
発明は別にしても、発見とは偶然出くわす。不思議なことですね。
一般人
2011/11/22 21:32
一般人様 お久しぶりです。
私も同感です。いつもの力づくの研究姿勢を改め、無欲で素直であれば何か大きな発見できるかも。でも、なかなか自分の研究スタイルは変えられないものですね。
伝右
2011/11/22 22:34

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